水素元素の密度や比重、融点や主な用途をまとめた水素の化学記号一覧表を以下にまとめておる。
水素は元素周期律表の1番目に位置する元素で宇宙の元素の中でも最も多く、最も最古からある元素と言われておるのじゃよ。
【水素の化学記号表】 | |
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発見者 | ヘンリー・キャベンディッシュ(イギリス) |
発見された年代 | 1766年 |
元素記号 | H |
原子番号 | 1 |
英語表記 | hydrogen |
分類 | 非金属・気体 |
原子量 | 1.0079 |
密度(kg/m³) | 0.0899 |
比重 | 0.06~0.07(空気比) |
融点(℃) | -259.14℃ |
沸点(℃) | -252.87℃ |
同位体 | ¹H(軽水素) ²H(重水素) ³H(トリチウム) | ⁴H(テトラニウム) ⁵H(ペンチウム) ⁶H(ヘキシウム) ⁷H(ヘプチウム) |
電子配置 | 1s¹ |
主な用途 | 水素燃料電池 水素エンジン・水素自動車 水素水・高濃度水素水 触媒による塗料 サプリメント 化粧品 |
水素は水素充電池やエンジンの燃料などとして幅広く活用されておる他、近年では健康を目的とした水素水や化粧水などの分野でも活用される範囲の幅が広がってきておる元素じゃ。
今後の化学の発展に伴い新しい分野で水素が活用される可能性もまだまだありそうじゃのぉ。
原子番号1番の水素は宇宙の中で最も最初に誕生した元素じゃ。元素周期表における水素は1族・第1周期元素として配置されておる。
宇宙がビッグバンによって誕生してからおよそ4億年もの期間、宇宙に存在した元素は水素とヘリウムのみ。(ごくわずかにリチウム元素やベリリウム元素が含まれていた)
尚、宇宙の誕生のきっかけとなったビッグバンが起きた後、現在に至るまでに100を超える元素が発見されておるのはみんなが承知の事実じゃ。
また水素は原子番号1番の元素であることからもわかるように全ての元素の中で最も密度が低く最も軽い元素でもある。
そして宇宙に存在する全ての元素の約70%という圧倒的なシェアを誇る元素もこの水素なのじゃよ。
現在は「水素燃料」や「燃料蓄電池」の他、水素還元をもたらす「高濃度水素水サーバー」、食べる水素としてサプリメントや健康補助食品などにまで水素に関わる用途や製品市場は大きく広がってきておるのじゃ。
水素原子の構造は全元素の中でも最もシンプルでその構造は陽子1つに対しマイナスの電荷をもつ電子が1つ。
そのため、前述したように宇宙に存在する原子の中でも最も軽い原子となっておるのじゃ。
※水素原子=全ての原子の中で最も軽く最もシンプルな構造
水素って原子番号が1番!何かかっこいいなぁ。
そうじゃのぉ、水素は宇宙の元素の中でも最も古くから存在する元素でもある。
水素は今では燃料電池や、自動車の燃料、そして活性酸素を除去する還元剤として水素水やサプリメントなどの健康補助食品にまでも登場するようになってきておる。
宇宙に最も古くから存在する?じゃあ宇宙は最初は水素だらけだったってことになるの?
うむ、厳密には水素の元となるクォークやレプトンなどの素粒子が生み出され、陽子や中性子が産まれる。その中で原子核が誕生し元素が誕生することになるのじゃが、まずは元素の誕生の歴史を考える上で、最も有力な説となっている「ビッグバン説」について少し説明をしていくことにしよう。
ほ~い!
宇宙は今も尚、大きく膨張している。この事が事実であるとするならば、その始まりは「ひとつの大きな広がりをもたらす何か」があったことになると想定される。
その宇宙の膨張の原因となる現象として考えられておる最有力説が「ビッグバン説」という訳じゃ。このビッグバンという言葉は一度は耳にしたことがあるかもしれんのぉ。
今からおよそ137億年前、ある空間に大爆発が発生する。これが宇宙の誕生の瞬間であるビッグバンじゃ。
※ビッグバンは約137億年前に発生し宇宙を誕生させた
ビッグバンが発生した瞬間にまず「クォーク」や「レプトン」といった素粒子が生まれその後、原子核を構成する2つの粒子である陽子と中性子が誕生する。
この時、水素やヘリウムの原子核も直後に誕生したとされておる。
すご~い!じゃあビッグバンが発生して直ぐに水素が誕生したんだね。
いや、水素の原子核はおそらく形成されておったのじゃが、水素という物質になる為には「1つの電子」を捕まえる必要がある。これは前述した水素の電子配置図を見てみるとわかるのぉ。
しかし、ビッグバン発生直後の宇宙は「高温高圧」であった為、原子核を構成する陽子と電子が結びつくことができなかったのじゃ。
実際に水素の原子核が電子を捕まえることができたのは、ビッグバンから30~40万年経過した後のこと。この時宇宙にはじめて最も軽い元素として知られる「水素」が誕生したというわけじゃ。
※ビッグバンからおよそ30万~40万年後に初めての元素である水素が誕生した
なんだか壮大な物語って感じがするなぁ~♪
ねぇ博士~。自動車のバッテリーとか携帯の電池にも水素燃料電池が使われているって本当?
うむ、我々の私生活において馴染み深い製品のひとつに「水素燃料電池」があることは確かじゃのぉ。
水素燃料電池は水素の化学反応を上手に利用した製品のひとつじゃ。
ポンちゃんが言うとおり、水素燃料電池はハイブリッドカーの充電池に使用されていたり、携帯電話の充電池や近年は多く見かけるようになった「エネループ」などの2次電池にも多く使用されておる。
携帯に関してはリチウムイオン電池の方が主流となっておるがのぉ。
※豆知識:2次電池=充電して使用できる電池のこと
Panasonicやソニーやサンヨーはニッケル水素電池シリーズを多く販売しているよね。僕も持ってるよ。何度も充電して使えるから使い捨ての電池よりも節約できてるかなぁって思うよ。
うむ、繰り返し利用が可能となっておるニッケル水素電池は電池内の正極に「水酸化ニッケル」を使用し、負極に「水素吸蔵合金」を利用した蓄電池じゃ。
尚、、電解液には「濃水酸化カリウム水溶液」が用いられておる。
ニッケル水素電池は従来の乾電池タイプの充電池としては最も広く普及しておる蓄電池であると言えるじゃろう。
家電量販店や携帯ショップ、本屋などでもニッケル水素充電池は販売されておる為、誰もが一度は目にしたことがあるはずじゃ。
尚、ニッケル水素電池が普及する以前は「ニカド電池(ニッカド電池)」と呼ばれるニッケルとカドミウムを電極に使用する充電池が普及していた時代もある。
ニカド電池の登場は使い捨て電池が主流であった当時は画期的な商品として一躍人気商品となったのじゃが、電極に使用されておる「カドミウム」が毒性を持つ元素であることから環境や人体への危険性が懸念されておった経緯がある。
そのような中、環境汚染や人体への危険性の少ない水素を電極に使用した水素蓄電池が登場した事によりここまで広くニッケル水素電池が普及するに至ったという訳なのじゃ。
ニッケル水素電池は環境にやさしいってこと?
何だかいいとこばかりだね。
ニッケル水素電池はニカド電池と比べると環境面に関する安全性が高い点が大きな利点であることは確かじゃ。しかしニッケル水素電池は自然放電量が多く、過放電すると電池そのものの寿命が一気に短くなってしまうという致命的な欠点もある。
しかし、現在は製造技術の進歩によって自然放電を抑える技術が高くなり、1000回以上の繰り返しの充電し仮に3~5年程度放置した場合でも容量が大きく減少しないニッケル水素電池の宿命とも呼べる弱点を克服した蓄電池も製品化されてきておるのじゃよ。
蓄電池と言えばノートパソコンや携帯電話の充電池に使用されているリチウムイオン電池もあるけどリチウムイオン乾電池って見ないよね。
うむ、リチウムイオン電池は破裂しやすい欠点がある為、乾電池のように単体で製品化するには危険性が高いという問題点がある。
実際にノートパソコンなどに使用されている「6セル」・「8セル」などと記載されているバッテリーは、内部に乾電池が6セルなら6本、8セルなら8本入っており更にしっかりと外部から補強された状態で一つのバッテリーとして使用されておる。
また携帯用のリチウムイオン電池は熱に強い素材でがっちりとコーティングされており、電池型ではなくプレートタイプとなっておるのぉ。
このように乾電池タイプの単体の電池として使用するにはリチウムイオン電池は容量は大きいものの、ニッケル水素電池の方が適しておる為、乾電池タイプの蓄電池はニッケル水素電池が主流になっているという訳じゃな。
そういう事だったんだね。でもさ、どうして水素が電池の中で電気を生むんだろう?なんだか不思議な世界だなぁ。
そうじゃのお、まず水素燃料を考える場合には「電気分解の仕組み」を覚えておくことが大切じゃ。
電気分解の仕組み?
水素電池が電気エネルギーを生み出す原理は「水の電気分解」の仕組みを理解するとわかりやすいかもしれんのぉ。
まず水は水素原子と酸素原子が化学結合した「水分子」であることを覚えておるかのぉ。
水の電気分解とは、この水分子を「水素」と「酸素」に分解して取り出すことを言うのじゃ。
じゃから、水素、もしくは酸素が必要な場面では、水分子を電気分解することで水素や酸素といった物質を取り出すことができることになるのぉ。
なるほど~。ちょっとわかりやすいかも。でもどうして何にもないところに電気がうまれてくるんだろう?
水素電池の中では水の電気分解と全く逆の作用が働いてる。
これは、水素と酸素が化学結合を起こすことで「水」を生み出しているということじゃ。
尚、化学結合が発生する際には、分子とともに「電気エネルギー」が生み出されることも確認されておる。
この時に発生するエネルギーが水素電池のエネルギーという訳じゃ。
電池の中ではそんな化学反応がおきながら電気を生み出していたんだね。すごいや!
ねぇ博士~。最近テレビで水素水が若返ろう~♪ってCMをしてたんだけどさ。水素水を飲むと若くなるって本当?
うむ、水素水が我々の体を若返らせてくれる働きを持つ可能性があることはおそらく間違いないじゃろう。
厳密に言えば若返るというよりも今では認知度が高い言葉となっておる「アンチエイジング効果」と呼ばれる老化防止に働きかける可能性があるということなのじゃ。
なるほど~!でもどうして水素水が老化を防止させる効果をもたらしてくれるの?と言うよりも水素水っていったい何だろう?
ポンちゃんが言っている水素水とは普段飲用水として飲んでいる水と構造はそう変わらないものじゃ。
但し、水道の飲用水に圧力を加えて水素を凝縮したり、マグネシウムとの化学反応を起こさせることで水素割合を多く含有させ水素を高濃度に濃縮した水がその名の通り高濃度水素水と呼ばれるておる水なのじゃな。水素の化学記号をチェックしてみると解る通り水(H2O)は水素=H2と酸素O2で構成されておる。
水素自体は常温では気体として存在しておるが、水素水サーバーなどの装置を通し水素割合が高くぎっしりと水素が詰まった水(高濃度)のことを「水素水」と呼んでおる。
このように水素水と呼ばれておる水は濃度の違いはあるものの、他の成分を含有している訳ではないため、見た目には普通の水にしか見えないのじゃよ。
※高濃度水素水は水素が高濃度に凝縮されている水のこと
本来は化学反応を用いずに圧力を加えて水素濃度を高めた水素水が高濃度水素水、そして化学反応を利用して水素濃度の高い水のみを生成する水を還元水素水や活性水素水と呼ぶのじゃが、現在はどちらも混合されてしまっておる部分もあるのぉ。
尚、地球の大気中にある水素の濃度は「1.0ppm以下」の濃度が基本範囲じゃが、水素水サーバーなどによって高濃度に凝縮された水素水の濃度は平均値を大きく上回る高濃度水素水を生成することが可能となっておる。
この1.0ppmを超える水素濃度を持つ水素水が我々の体内の老化に関わる組織に働きかける作用をもたらす可能性を持つことが徐々に確認されてきておるのじゃよ。
水素水がなぜ老化防止の効果があるのか?その原因と水素水の働きについてここでは確認しておくとしよう。
人間の老化の最大の原因と呼ばれておる物質に「活性酸素」と呼ばれる物質がある。
この活性酸素は日常生活の中で産みだされる物質で、生命を維持していく為に欠かせない物質でもあるのじゃ。
しかし、一部の活性酸素は細胞組織の老化を招いたり、「DNA」を傷つけてしまったりするものもおる。
この活性酸素から細胞を守る働きをもっておるのが「ビタミンC」などのビタミン成分や「水素」なのじゃ。
ビタミンCが老化を予防するって話はどこかで聞いたことがあるよ。でも水素も活性酸素から体を守る働きがあったんだね。
うむ、しかし「ビタミンC」は活性酸素の働きを抑制する抗酸化物質として広く認識されてはおるが、細胞に悪影響を及ぼす活性酸素の抗酸化作用をもつと同様に、酸化型アデニン(ヒドロキシアデニン)を増加させる働きを持つことも確認されておる。
う~ん?ビタミンCは抗酸化物質ではあるけれど、逆に酸化作用をもたらす成分でもあるということかなぁ?
うむその通りじゃな。ビタミンCは抗酸化物質ではあるものの「ヒドロキシアデニン」を増加させるという相反する働きを持っている点がひとつの欠点であったのじゃ。
これは老化を予防する代表的な成分のひとつがビタミンCである事を否定する理由にはならんのじゃが、利点ばかりではないという事を現しておるとも言えるのぉ。
その為、純水に活性酸素から細胞組織の老化を予防する働きを持つ水素水の効果が期待されるようになってきておるのじゃな。
尚、水素水サーバーによって生成される水素水が老化防止効果をもたらし、更に病気の治療にも効果が期待できるなど様々な情報が飛び交ってはおるが、水素水サーバー自体は医療器具などではなくあくまで企業の一製品に過ぎない。
その為、確実な効果が立証されているわけでは無いという点をしっかり把握しておくことが重要じゃ。
ここまでの水素水の話をまとめると水素濃度の高い水を飲んで体内に水素を溜め込んでおいて「活性酸素」から細胞を守ろう!って働きかけるのが水素水を摂取する目的にあったってことなんだね。
そうじゃな、水素水の良いところは活性酸素による細胞への働きかけから身を守るだけではない。ここで覚えておくべきポイントは水素の「還元作用」と呼ばれる働きなのじゃ。
還元作用?
うむ、水素水は活性酸素から身を守る祭に、水素が活性酸素と結びついて還元される事で活性酸素から細胞組織を守っておる。水素水の最大の利点はこの活性酸素と水素が結びつく(還元作用)ことによって生み出される産物が人体にとって無害である「水」であるという点に大きなポイントがあるのじゃ。
※水素水の最大の利点は活性酸素と反応後無害の水が残ること
細胞の老化の最大の原因と呼ばれている「ヒドロキシラジカル」という活性酸素は細胞内に水素を見つけると積極的に結合し反応を起こそうと働きかけることが確認されておる。
この活性酸素は文字通り酸素(O)を含んでおるのじゃが、体内に大量の水素を見つけると自ら水素と結びつき無害の「水」になろうと働きかける性質をもっておるという訳じゃ。
前述したように水はもちろん我々の体にとって無害の成分。その為、このヒドロキシラジカル(活性酸素)の性質を利用して活性酸素そのものを減少させようと考えたのが水素水を利用する「アンチエイジング」であったという訳じゃ。
そっかぁ!水は水素(H2)と酸素(O2)で構成されているから、水素水の高濃度の水素が活性酸素の酸素と反応して水になるってことなんだね。
そうじゃな、人体には「約60兆個もの細胞」があると言われておるが、この全ての細胞にしっかりと水素が満遍なく飽和している状態は理想の状態と言えるかも知れんのぉ。
※豆知識:人間の細胞の数は約60兆個
よ~し!僕もさっそく酸素水を飲んでみようかなぁ!でも酸素水ってとっても高そうな気がする。
水素水は普通のミネラルウォーターなどと比較するとやや高額かもしれんが、お茶で有名な伊藤園や目薬で有名なロート製薬などからもペットボトルサイズの水素水が販売されておるからコンビニなどで一度チェックしてみると良いじゃろう。
またナノテクノロジーの発展に伴いナノレベルの微粒子レベルにまで水素を濃縮させたナノ水素水と呼ばれる高濃度水素水もあるので化学の視点で色々調べてみるのも良いじゃろう。
ほ~い!
自動車の燃料はガソリンってイメージがあるけれど、今は水素で走る「水素エンジン」もあるんだよね。
おっ!ポンちゃん良く知っているのぉ。
うん、だってね、「このバスは水素燃料自動車です」って説明が書いてあるバスに乗ったことがあるもんねぇ♪
水素燃料エンジンで走る自動車は水素を燃料としているから、ガソリンよりも排気ガスがとってもクリーンで窒素酸化物排出量もとっても低いんだよね。
なるほど、しっかり勉強してきておるのぉ。
確かに水素燃料で走行が可能な水素エンジンは「化石燃料」の枯渇問題や排気ガス(CO2)問題などの対策として重要な位置を占める分野なのは確かじゃ。
多くのメーカーが水素自動車の開発を進めておるし、ポンちゃんが実際に乗ったように既に市場で活躍しておる水素燃料自動車も多くあるからのぉ。
※水素エンジン自動車は既に公道を走行している
ねぇ博士?「クリーンエネルギー」とか「エコ自動車」とかのイメージってどうしてもトヨタのプリウスとかのハイブリット自動車のイメージの方が大きいんだけどね、ハイブリット車はガソリンも使うからやっぱり(CO2)を排出するんだよねぇ。
水素燃料だったら(CO2)は出ないはずだから、水素エンジンがもっともっと普及したほうがいいんじゃないのかなぁ?
ポンちゃんは時々、素晴らしいことを言うのぉ。
ただ水素エンジンはまだ多くの課題を抱えていておってのぉ、一般的に実用化に至り市場に広まるのはまだ先の話になるじゃろう。
ポンちゃんが言うとおりメリットも大きいが、水素をエネルギーとして利用する為には多くの問題を解決していかなくてはいかんのじゃよ。
んっ?時々?
水素自動車が今後、実用化されるために必要となる最大の課題はやはり安全性が一番じゃ。
現在、自動車市場はCO2を排出しないクリーンエネルギーや燃費の良い自動車の開発が急ピッチで進められておるのはポンちゃんも知っておるのぉ。
うん、電気自動車(EV)やハイブリッド(HV)なんかがそうだよね。
うむ、電気自動車や回生ブレーキを利用するハイブリッド、そして現在は外部から電気の充電も可能となった「電気自動車(EV)」と「ハイブリッド(HV)」の利点を合わせた「プラグインハイブリッド(PHV)」などもあるのぉ。
そして水素自動車に代表される燃料電池を利用する「燃料電池車(FCV)」や燃料電池車とハイブリッドの利点を活かした燃料電池ハイブリッド(FCHV)などの開発もどんどん進んでおり既に製品化されてきておる。
しかし、環境問題をクリアし安全性も求めるとなると燃料電池車(FCV)市場は様々な課題が残されており量産体制に入るまでにはもう少し時間が必要となるじゃろう。
CO2排出の問題に代表されるように環境問題を考慮して安全性も求めるって大変なことなんだね。でも色んな分野から自動車が開発されているけれど、結局一番理想的な自動車市場っていったいどの市場なの?
うむ、これは難しい問題じゃのぉ。資源や製造コストなどを一切考慮せずに考えた場合は、電気のみで走る電気自動車が最も理想的なスタイルと言えるのかもしれん。
しかし、電気自動車を製造するためには大容量の充電池を確保する必要が出てくるのぉ。
この繰り返し利用可能な大容量の充電池を製造するためには莫大なコストがかかり、また必要となる資源にも限りがある。
単純に採掘と言っても採掘を行なう為の工業活動でははやはりCO2が発生する事になるしのぉ。
また従来のガソリン車の燃費を圧倒的に向上させた「ハイブリッドシステム」もまた、燃費は良くなったと言ってもガソリンという化石燃料を使用していることには変わりない。
水素自動車は前述したように宇宙のおよそ70%の質量を誇る豊富な元素である水素を利用する為、資源的な心配はもっとも少ないと言えるのじゃが、燃料用の水素を製造する際にCO2を排出するという問題を抱えておるのじゃ。
どの市場も一長一短、利点と欠点があるってことなんだね。
うむ、現在のところはそういう事になるのぉ。その為、各自動車メーカーはそれぞれの市場で開発を行いながら真剣に環境問題に取り組んでおるのじゃよ。
水素をガソリンの代用燃料として扱う試みはここ数年で大きく技術力が進展してきてはおるが、実はかなり古くからこの試みは行われてきておる。
たくさんの化学物質の中から水素が選ばれた理由は、最も豊富にある元素であり、ガソリンなどの化石燃料ほどの効率はなくとも大きなエネルギーを発揮することができる為じゃ。
しかし、実際に水素エンジンを搭載した自動車が普及した場合に、ガソリンスタンドのような燃料を補給する多くの設備を設置する必要が当然出てくるのぉ。
これは同じ水素を使用する水素電池を使用する自動車においても同様じゃ。
【課題1】
水素自動車が普及するためにはインフラ整備を整える必要がある。
また水素の製造の多くは天然ガスから生成されているという現実的な問題もある。
天然ガスから水素を精製する過程において二酸化炭素を排出する為、水素エンジン単体における二酸化炭素(CO2)の排出が無かったとしても、製造過程からエネルギー燃焼までのトータル的なサイクルで考えると、二酸化炭素排出量はガソリンエンジンと大差がないという見解もあるのじゃ。
【課題2】
燃料としての水素はエネルギーを生み出した後に二酸化炭素を排出しないが、水素燃料を作る過程において工場などで二酸化炭素を排出する為、燃料の生成過程も含めてトータル的に考えていくことが重要
水素って地球上で最も多い元素なんだよね。そんなに多いなら水素を天然ガスなどの化石燃料を使用せずに生み出すことができるようにはならないのかなぁ?
化石燃料を使用せずに水素を生み出す方法は幾つかの方法があり実際に実用化されつつあるものもある。
有名なところでは「バイオマス」による水素の製造じゃな。
しかし、水素エンジンなどのエネルギー源として利用するにはまだまだ絶対量が乏しい為、水素自動車の燃料の確保という問題はクリーンエネルギーを考える上で今後も大きな課題となってくるじゃろう。
二酸化炭素を全く出さない水素燃料だけの自動車って夢のまた夢なのかなぁ・・・・
それはこれからの化学技術の進歩にかかっているのかもしれないのぉ。
但し本当にクリーンなエネルギーのみで自動車が走行できるようになるまでは、インフラ整備の問題や乗り越えなくてはいけない課題がまだまだ多くあるのが現実じゃ。
水素は何と言っても爆発する危険性を持つ最軽量の気体でもあるしのぉ。色々難しい問題も多いのが現実じゃ。
しばらくは電気自動車(EV)や更なるハイブリッドカーの技術開発と合わせてクリーンエネルギーを考えていく事が大切かもしれんのぉ。
色んな角度からクリーンエネルギーの実現を考えていくってことだね。