ホウ素元素の密度や比重、融点や主な用途をまとめたホウ素の化学記号一覧表を以下にまとめておる。
まずは「ホウ素」の基礎知識からの学習じゃ。
【ホウ素の化学記号表】 | |
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発見者 | ハンフリー・デービー(イギリス)/ジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサック(フランス)/ルイ・ジャック・テナール(フランス) |
発見された年代 | 1808年 |
元素記号 | B |
原子番号 | 5 |
英語表記 | boron |
分類 | 黒色半金属・レアメタル |
原子量 | 10.811 |
密度(kg/m³) | 2360(固体) |
比重 | αボロン=2.54/βボロン=2.37 |
融点(℃) | 2076~2179℃ |
沸点(℃) | 3927℃ |
同位体 | ¹⁰B(19.9%)/⁹B(80.1%) |
電子配置 | 2s²2p¹ |
ヤング率 | ━ |
硬度 | 9.3 |
主な用途 | パイレックス 洗剤 ガラス繊維 ホウ酸団子(ゴキブリ退治用等) 医薬品(うがい薬・目の洗浄剤) |
パイレックスなどの耐熱ガラス製品に代表されるようにホウ素化合物製品は既に多くの製品が商品化されており普段何気なく使用しておる日用生活品にもホウ素が関与しておるのじゃ。
原子番号5番のホウ素は広い用途で使用されている半金属のレアメタルに分類される鉱物じゃ。元素周期表におけるホウ素は13族・第2周期元素として配置されておる。
ホウ素は単体物質として硬度が非常に高い物質じゃ。また化合物である炭化ホウ素の硬度はダイヤモンドに次いで硬い物質構成となっておる。
小学校の実験では洗濯のりとホウ酸を混ぜ合わせバスクリンなどを入れ「スライム」を作った経験のある者も多いかもしれんのぉ。
ホウ素は様々な物質や元素との化合物を作ることで広い用途の性能を発揮する特徴をもつ元素なのじゃ。
一般的なガラス製品は熱に弱い性質を持っておるが、このガラスに少量のとある成分を加えると耐熱ガラスに変化する。
このとある成分こそがホウ素なのじゃ。
パイレックスガラス製品って台所のガラスボールとかにも多く見かける耐熱ガラスの製品だよね。
うむ、この台所やキッチン、またオーブンなどで使用できるパイレックスガラスには12%程度の「酸化ホウ素」が添加されておる。
酸化ホウ素を添加したガラスは軟化点が低下するため割れにくくなるのじゃな。
ガラス製品は熱膨張率がとても高い為、高温の熱に一部分がさらされるとその部分だけが大きく歪んでしまうことになる。
こうなっては知っての通りガラスは変形してしまうため簡単に割れてしまうのじゃ。
しかし酸化ホウ素が添加されたガラスは軟化点が下がるため、熱膨張率がとても小さくなる。
熱膨張率が小さくなると、高温の熱を受けても歪みにくくなるため、耐熱ガラスとして電子レンジやオーブンなどでもそのまま調理器具として使用できるようになる訳じゃな。
ホウ素は様々な用途で活躍しておるのが見えてきたが、実は我々が毎日のように食べている食品にもホウ素は大きく関与しておる。
特に白菜や大根、トマトなどの野菜の発育においてホウ素は重要な役割を果たしておるのじゃ。
野菜?
うむ、ホウ素は土壌中に微量に含まれておる成分で白菜やキャベツ、大根といった野菜類が成長する際にはホウ素を土壌から吸収する必要がある。
これはホウ素が細胞の成長や細胞壁の構造を維持する重要な役割を持っておるためじゃ。
土壌中のphが高い数値になった場合や、極端に土壌が乾燥状態になると野菜はホウ素を十分に吸収できなくなり、細胞壁構造を維持できなくなってしまう。
尚、ホウ素が欠乏する状態になることを「ホウ素欠乏」と呼んでおる。
※野菜はホウ素欠乏になると細胞壁構造を維持できない
ホウ素欠乏状態に陥ると、白菜やキャベツなどの野菜は芯に黒斑が生じたり葉の色が黄色味を帯びる、また葉っぱ部分にひび割れなどの症状を発症するようになってくる。
これは農家にとっては商品として出荷できるかどうかの大きな問題となるため、常にホウ素欠乏が発生しないように十分に土壌の栄養状態やph値の管理を行い、ホウ素が不足している場合はホウ素入の肥料などを使用し対策を行うことが重要となってくるのじゃな。
ホウ酸団子って本当にゴキブリ退治に使えるのかな?
うむ、ゴキブリ退治をするための製品としてゴキブリホイホイやコンバットなどの製品があるが、ホウ酸団子も昔は広く使用されておった。
このホウ酸団子はその名の通りホウ素元素を含む化合物じゃな。
ホウ酸団子の作り方は簡単で「小麦粉」や「じゃがいも」にホウ酸を混ぜるだけ。
後は乾かした後にゴキブリの通り道と想定される場所に置いておくだけなのじゃが、このホウ酸団子の効き目は本当に効果があるのかどうかはやはり気になるところじゃのぉ。
もしかして効果なかったりして
ホウ酸団子が何故ゴキブリを退治するのか?これはホウ酸団子を食したゴキブリの消化器官に何らかの作用が働く事が原因であると考えられておる。
ホウ酸団子を食したゴキブリは脱水症状を起こし徐々にひからびていく。
その為、ゴキブリの成虫はホウ酸団子を食べてから数日で死に至るという訳じゃ。
しかし、ゴキブリの卵には効果が無いため、ゴキブリが孵化し幼虫にも効果が出るように最低でも1~2ヶ月以上の期間を見てゴキブリ退治を行うことが大切じゃ。