◆原子番号13番:アルミニウムの密度・比重・同位体一覧表(目次)

◆アルミニウムの化学記号一覧表(013)

 アルミニウム元素の密度や比重、融点や主な用途をまとめたアルミニウムの化学記号一覧表を以下にまとめておる。
 アルミニウムは金属元素としては地球で最も多い元素じゃよ。

【アルミニウムの化学記号表】
発見者 フリードリヒ・ヴェーラー(ドイツ)
発見された年代 1827年
元素記号 Al
原子番号 13
英語表記 aluminium
分類 銀白色・金属
原子量 26.9815
密度(kg/m³) 2699(固体)
比重 2.7
融点(℃) 660.32℃
沸点(℃) 2470℃
同位体 ²⁷Al(100%)/²⁸Al(β=2.2414分)
電子配置 3s²3p¹
ヤング率 70GPa
硬度 2.75
主な用途 アルミ合金
ジュラルミン合金
アルミホイル
一円硬貨
アルミ缶
航空機部材
送電線部材
スーツケース
アタッシュケース

 日本の1円硬化がアルミニウムで製造されておることはおそらくみんなご存知の事じゃろう。
 1円玉を手にしてみると、10円硬貨、5円硬貨、等と比較してもとても軽いことに気づくはずじゃ。
 この軽く感じる体感は大きさの違いだけではなく質量・比重が小さい点がひとつのポイントでもあるのじゃ。

◆硬度が高く軽い!アルミニウムの最大の特徴

 アルミニウム金属の最大の特徴はこの軽量である点。そして硬度もそこそこに高いため硬さもある点じゃ。
 10段階の指標で物質の硬度を示した旧モース硬度では、アルミニウムの酸化鉱物がダイヤモンドに次ぐ硬度9となっておった事からも十分な硬度を持つ元素であることもわかるのぉ。
 更に地球上の地殻内にアルミニウムは豊富に存在する元素であることも確認されておる。
 その為、アルミニウムを原料とする製品はとても我々の日常生活の中の至る場所でアルミニウム合金やアルミニウム製品を見つけることができるのじゃ。

※アルミニウムは地殻内に豊富に存在し、既に多くのアルミニウム製品が商品化されている。

◆身の回りにはアルミニウム製品がいっぱい溢れている

 ここで一度、自分の頭の中でアルミニウムを使用している製品を思い浮かべてみてはどうじゃろうか?
 先ほどお話ししたように、お財布の小銭入れには1円硬貨があるかもしれん。
 また街の至る場所に設置されている自動販売機のジュース。この自動販売機のジュースはアルミ缶で出来ておるのぉ。
 毎晩夕食を作ってくれるお母さん。キッチンの周りを見回しながらお手伝いをしていると、アルミホイルが置かれていることに気づくかもしれん。
 家族旅行などで銀色のスーツケースを使っていれば、その銀色のスーツケースもアルミ製の製品の可能性が高いのぉ。
 このようにアルミニウムは我々の生活に深く馴染んでいる、生活に欠かせない元素でもある事を覚えておこう。

◆原子番号13番:アルミニウムの構造を学ぼう

 アルミニウムの原料となるボーキサイト鉱石をご存じの方は多いでしょう。このアルミニウムの発見者はドイツの化学者であるフリードリヒ・ヴェーラー。
 ヴェーラーは1827年に世界で初めて単離が難しいとされていたアルミニウム化合物から純粋なアルミニウムを単離する事に成功しました。
 しかしヴェーラーが単離に成功する3年前の1825年にはスウェーデンの物理学者、エルステッドがカリウムを還元剤とした「塩化アルミニウム」からのアルミニウムの単離に成功しており、ヴェーラーはエルステッドが行ったカリウムによる還元法を改良することで純粋なアルミニウムの単離に成功したことも事実です。
 また多くの元素の研究や発見に貢献したイギリスのハンフリー・デービーは1807年に、アルミナを電気分解する事でやや不純物を含むアルミニウムの単離に成功しております。
 しかし、更に歴史を遡ると、フランスの化学者であるアントワーヌ・ラヴォアジエが明礬石(みょうばんせき)に含まれる未知の金属の存在を提唱しており、この未知の金属をアルミーヌと名付けている事が判明しております。
 「化学でポン」では純粋な単離に成功したヴェーラーを発見者としておりますが、こうして見るとアルミニウムの発見には多くの化学者や物理学者の熱心な研究や貢献があったことがわかります。
 ここでは、地殻中の埋蔵量が豊富であるアルミニウムに関する基礎的な知識や製造にまつわる課題について学習します。

◆アルミニウムは酸素やケイ素に次いで埋蔵量が多い豊富な資源

 原子番号13番のアルミニウムは銀白色・金属に分類される数多くある金属元素の中でも最も地殻中に多く存在しておる鉱物じゃ。元素周期表におけるアルミニウムは13族・第3周期元素として配置されておる。
 アルミニウムは地球の地殻中にとても多く含まれておる元素のひとつで、埋蔵量は酸素やケイ素に次いで多い豊富な資源じゃ。
 しかし、アルミニウムを精製する為には、膨大な費用がかかる為、製品の大量生産を行う際には製造コスト面の課題が常に問題視されておる元素でもある。
 アルミニウムが使用されいる最も有名なものは、まず第一に「1円玉硬貨」があげられるのぉ。
 実は1円玉は金額の価値に対する製造価格が最も高額な硬貨としても知られておる。
 経済の話しになるが、もし激しいインフレーションが発生し紙幣の価値が意味をなさないような状況になった場合。
 このような激しいインフレが発生してしまったならば、1万円札のような紙でできた紙幣よりもアルミという市場流通性の高い1円玉硬貨の方が価値が高くなるような事態も起こりうるのじゃな。

◆もし貨幣の価値がなくなったら1円玉の価値が一万円よりも高くなる?

 1円玉の価値が一万円よりも高くなる?
 またまたはかせぇ。そんなことある訳ないでしょ~。
 そんな事になるならみんな1円玉を貯めこんでしまうよ。

 いやいや、冗談でも何でもなく、このように貨幣の価値が意味をなさなくなるような事は世界中の歴史の中で何度も発生していることなのじゃ。
 事実、日本でも戦後の物資不足が発生していた時は、どんなに貨幣を持っていても食料を購入することができなかったような時代もあった。
 使えるか使えないかわからないようなお金よりも、実際に生活に必要となる衣類や食料の方がすぐに必要じゃから、食料は衣類などとの物々交換でようやく手に入れる事ができたような時代が日本でもほんの数十年前にあったのじゃよ。

 ひえ~、本当にそんな事があったんだね。
 今日から高価な価値を持つアルミニウムでできている1円玉を大切にしなきゃ。

◆1円玉を製造する為の費用はいくら?

 うむ、日本のことわざには「1円を笑うものは1円に泣く」ということわざもあるしのぉ。
 アルミニウムでできている為、ポンちゃんのように価値が高いから大切にしよう!という考えも確かにあるが、小さな1円であってもおろそかにしてはいけないよ!という意味を持つことわざでもあるのじゃ。
 尚、ちょっと話がそれたが、最後にちょっと面白い不思議な話をしよう。
 実は1円玉硬貨を1枚作るためにかかる費用、製造価格はおよそ2円かかる。
 日本では1円玉を作る為に、2円のコストをかけているというのも面白い話じゃのぉ。

※1円玉を製造するには約2円かかる

◆航空機材料として活躍するアルミニウム合金

 アルミニウムの軽量である金属元素としての利点を活かして製造される金属がアルミニウム合金です。

 このアルミニウム合金は軽量化が求められる航空機分野でも機体の主要好材料として大活躍をしております。

 安全性の基準となる金属の硬さを合金で補うことで、丈夫で軽量の金属鋼板が航空機の機体にはふんだんに使用されております。

 ここでは航空機分野におけるアルミニウム合金の活用や、アルミニウム合金の普及状況、航空機に利用する利点について学習します。

◆航空機の主要構造材料はアルミニウム合金

 アルミニウム合金の特徴である軽量で丈夫であるという利点を活かし、特に軽量化が求められる分野においてはアルミニウム合金が主要構造材料として広い用途で使用されておるのが現状じゃ。
 有名な所では誰もが知っている航空機。
 航空機に搭乗した経験がある者も多いかと思うが、あれだけの大きな乗り物となればその重量はかなりの重さであることは容易に想定できるのぉ。
 また搭乗する人たちだけでなく、たくさんの物資の輸送も行う航空機にとって機体の軽量化は絶対必要条件のひとつともなっておる。

 最近の航空機はちょっと割安な運賃で運行する、ジャンボジェット機よりもちょっと小型の航空機が増えてきてるんだよね。
 やっぱりこれらの航空機もやっぱりアルミニウム合金が使用されているのかなぁ?

◆アルミニウム合金は航空機の燃費をアップさせるって本当?

 うむ、その通りじゃな。近年生産されている航空機の多くは、安全性を損なわない事を前提として更なる軽量化を行うことが重要な開発の一部となっておる。
 尚、この航空機の機体を軽量化する最大の目的は燃料の消費量と機体の重量が密接に関連しておることが関与しておることが原因にある。
 言うまでもなく航空機の機体は軽ければ軽いほど少ない負担で飛行が可能となるため、燃料消費量も軽減できることになる。
 その為、飛行機の機体に使用されている構造部材や主翼部分の鋼板は全てアルミニウム合金であるジュラルミン鋼が使用されておる航空機が大半となっておるのじゃな。

◆アルミニウム合金の重さは鉄の3分の1程度

 もし機体の軽量化が可能となれば、軽量化された分、エンジンにかかる負担が減少する。そうなると当然、航空機の燃費がアップすることにも繋がるのぉ。
 アルミニウムの比重は、主要金属類の代表とも言える「鉄」や「銅」などと比較すると比重はとても小さい。
 重さも約3分の1程度であるため、同じ合板で機体を覆った場合は機体の重量を半分程度まで軽減させることが可能となってくる訳じゃ。

※アルミニウム合金の重さは鉄の3分の1程度ととても軽い

 航空機の材料となっているアルミニウム合金ってこんな所でもとっても重要な役割を果たしていたんだね。

 そうじゃな。尚、航空機に使用されておるアルミニウム合金は銅やマグネシウム・マンガン等の他の金属元素との合金であるジュラルミンと呼ばれる合金じゃ。
 尚、ジュラルミンは旅行用のスーツケースや仕事用のアタッシュケース、家の窓のアルミサッシ等、おそらく誰もが見かけた事があるアルミニウム合金なのじゃよ。

※スーツケースやアルミサッシの多くはジュラルミンと呼ばれるアルミニウム合金である

◆アルミニウム合金の種類・特徴・製法

 アルミニウム合金の特徴を活かした製品は私たちの生活に深く関わっているものばかりです。
 しかし純粋なアルミニウム合金は非常に柔らかく、単体で使用するには剛性が劣るため、様々な元素とかけ合わせて加工を加えることで、軽量で強い強度を保持する合金となります。
 軽量金属アルミニウム合金がどのような金属元素と合成されており、どのような用途で実際に使用されているのか?
 ここでは、もう一歩踏み込んでアルミニウム合金の特徴や種類、製法による分類について学習します。

◆アルミニウム合金の特徴とは?純度の高いアルミニウムほど柔らかい

 アルミニウム合金とは、アルミニウムの最大の特徴でもある軽量金属という特徴を活かし、剛性を高めるために他の種類の元素と組み合わせ事で剛性を高めた合金の事じゃ。
 金属類は合金とすることで強度を高めたり、合金の割合を変化させることで様々な用途に対応できるようになるものが多い。
 特に鉱石や土から抽出・分離された純度の高いアルミニウムは軽量ではあるがとても柔らかいため、製品として使用するには合金にする必要があるのじゃな。

 なるほど~!アルミニウムを他の金属と混ぜあわせて合金にすると、ちゃんとした硬い材料だけどアルミニウムの特徴を活かした軽量化された金属を作ることができるって事なんだね。

 うむ、その通りじゃ。アルミニウム合金としてはジュラルミン鋼・超ジュラルミン・超々ジュラルミンが広く知られておるが、これらのアルミニウム合金の特徴はやはり、軽くて丈夫である。という点がとても重要な要素となっておるのじゃよ。

※アルミニウム合金の特徴は軽くて丈夫であること。その為、剛性を保持しながらも軽量化が必要となる航空機の主要部分や自動車のボディーやエンジン部品にもアルミニウム合金は使用されている。

◆アルミニウム合金の種類・規格一覧表

 アルミニウム合金の種類は、合金として配合する元素によって系統が分類されておる。
 ここでは、アルミニウム合金の種類と規格、種類別の主な用途や各種合金に使用されている元素について下記表にまとめておいたのでチェックしておく事じゃ。

【アルミニウム合金の種類・規格一覧表】
種類・規格 主な用途 合金の材料
①1000番台 電線等 純度99%以上のアルミニウム(非熱処理型合金)
②2000番台 航空機 ジュラルミン・超ジュラルミン(熱処理型合金)
③3000番台 アルミ缶 アルミニウム・マンガン合金(非熱処理型合金)
④4000番台 鍛造ピストン アルミニウム・シリコン合金(非熱処理型合金)
⑤5000番台 アルミホイール アルミニウム・マグネシウム合金(非熱処理型合金)
⑥6000番台 船舶 アルミニウム・マグネシウム・シリコン合金(熱処理型合金)
⑦7000番台 航空機 アルミニウム・亜鉛・マグネシウム合金(熱処理型合金)

◆アルミニウム合金は製法から鋳造材と展伸材に分類される

 アルミニウム合金は製造方法によって大きく2種類の材料に分類されておる。
 この2種類とは、「鋳造材」と「展伸材」と呼ばれるものじゃ。
 鋳造材の製法は自動車のアルミホイール等に代表される金型に溶解したアルミ合金溶融液を流し込む基本的な製法じゃ。
 金型を使用するこの製法は自動車のエンジンパーツや細かい形状の部品も製造が可能となっておる。
 また展伸材は、前述したアルミニウム合金の種類一覧表に記載しておるように大型の航空機や船舶等に使用する板材などがあるのぉ。

◆自動車エンジン部品にもアルミニウム合金が使われている?

 自動車のボディーやホイールなどに使用されているアルミニウム合金。アルミホイールでも知られるように自動車の部品には多くのアルミニウム合金を使用した製品が商品化されております。
 ここではエンジン部品やホイール部分に何故アルミニウム合金が使用されてきたのか?
 そして軽量化を目的とした自動車開発がどんどん進行していく流れの中で、安全面は本当に大丈夫なのか?という素朴な疑問点についてチェックしていきます。

◆ピストンやシリンダーブロック部分に用いられるアルミ合金

 アルミニウム合金はその軽量性という特性を活かして、幅広い分野において多様な用途で使用されるようになってきておる。
 尚、近年では自動車の燃費向上を目的として内燃機関内のピストンやシリンダーブロック部分にチタンやニッケルなどを混ぜあわせ耐熱性を高めたアルミニウム合金が使用されるようになって来ておるのじゃよ。

 へぇ~、アルミニウム合金は自動車のパーツなんかにも使用されていたんだね。
 知らなかったなぁ。

 トヨタ車のプリウスやアクアなどのハイブリッド・カーや電気だけで走行が可能となる電気自動車にとって燃費・実走距離の向上は非常に重要な課題となってきておる。
 この実際に走行が可能となる距離は、我々は燃費という形で考慮しておるのじゃが、この燃費という基準が車選びの大きなポイントへと変化してきた時代背景も関係しておるのじゃ。

◆アルミニウム合金は軽量化が重要なスポーツカーに採用

 自動車部品は前項で解説してきた航空機同様、多くのアルミ合金を使用しておるケースが多い。
 自動車部品で最も市場に流通しておるのはおそらくアルミホイール。現在の自動車のホイールは鋳造されたアルミホイールが主流となっておるのぉ。
 また自動車のボディーにアルミニウム合金が使用されておる車としては、古くからマツダのRX7やホンダのNSXと呼ばれるスポーツカーに使用されてきた歴史がある。
 ボディー全面にアルミニウム合金を使用すると車両重量は圧倒的に軽くなるため、軽量化が重要なスポーツカーに採用されてきた訳じゃな。

 尚、アルミは鉄よりも製造コストがかかりアルミ製は鉄製の製品と比較すると当然価格も高くなっておる。
 ここまで解説してきた通り、アルミニウム自体は地球上に豊富に存在する元素である事から、今後は製造コスト面における技術開発が期待されるのぉ。

◆自動車の軽量化と安全面向上の両立は可能?

 自動車の燃費がユーザー(自動車を購入する者)が自動車を選択する大きな基準となって以降、自動車の軽量化は次々と進展し、使用されていた自動車パーツや部品を減少することで目標としていた燃費数値を達成した車種も多く出てきておる。
 しかし、使用する部品や材料を減らしていくことは1つの不安を産むことにもなっておる。

 それってやっぱり安全面のこと?色んなものを減らしてボディーが軽くなって燃費が上がるのは嬉しいことだけど、色々削りすぎちゃったらやっぱり安全面で大丈夫?って思ってしまうよね。

 うむ、そうじゃのぉ。しかし車両重量をどんどん軽量化する努力を続けてきた自動車メーカー各社は、当然安全面についても十分考慮しながら自動車の開発を進めておる。
 その為、軽量化を達成しながらも安全面に関して更に安全性の高いシステムを搭載した自動車等も開発されるようになってきておる。
 その為、今のところは軽量化と安全性に関しては両立できていると考えても良いじゃろう。
 もし自動車のカタログ等を見る機会があれば、「同じ車種」の過去の車両重量と現在のモデルの車両重量を比較してみると面白いかもしれんのぉ。