ルビジウム元素の原子量や融点・比重・同位体、主な用途をまとめたルビジウムの化学記号一覧表を以下にまとめておる。
ここでは原子時計等で広く知られておるルビジウムの基礎知識を確認しておくとしよう。
【ルビジウムの化学記号表】 | |
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発見者 | ローベルト・ブンゼン(ドイツ)/グスターブ・キルヒホッフ(ドイツ) |
発見された年代 | 1861年 |
元素記号 | Rb |
原子番号 | 37 |
英語表記 | rubidium |
分類 | 銀白色金属/アルカリ金属 |
原子量 | 85.4678 |
密度(kg/m³) | 1532(固体) |
比重 | 1.53 |
融点(℃) | 39.5℃ |
沸点(℃) | 687℃ |
同位体 | ⁸⁵Rb(72.17%)/⁸⁷Rb(27.83%) |
電子配置 | 5s¹ |
ヤング率 | 2.4GPa |
硬度 | 0.3 |
主な用途 | 原子時計 ルビジウム-ストロンチウム法(年代測定法) 発振器 ルビジウムクロック(オーディオ) ルビジウムカッティング技術(CD等) |
ルビジウムの化学記号一覧表に「原子時計(げんしどけい)」って書いてあったけれど、原子時計ってNTTの117番とかで聞くことができる時報サービスとかに使われている時計だよね。
おっ!ポンちゃん良く知っておるのぉ。
原子時計は時報サービスなど正確な時間を測定する際に使用されておる発振器の信号を利用して時刻を刻む繊細な時計のことじゃ。
ただ、NTTの時報サービスではルビジウムではなく水晶発振型の電子時計の記録が使われておるのじゃよ。
と言うことは原子時計の発振器って色んな種類があるの?
ルビジウム原子時計は原子時計の中では精度はそこそこのレベルの時計と言える。
また、より正確な精度を誇る原子時計にはセシウム発振器を使用した原子時計があるのぉ。
セシウム原子時計と言えば日本の標準時刻の指標となっておる装置としても有名じゃ。
とは言え、ルビジウム発振器による時間の誤差は10万年~20万年で約1秒程度と気にするまでもないような途方もなく小さな誤差というだけの話じゃ。
尚、NTTの117時報サービスやラジオで使用されておる原子時計は水晶発振器による時刻だが、水晶式はルビジウム発振器よりも精度がやや劣るものの、それでも日常生活に支障をきたすような誤差を生じるような事はまかり間違ってもないじゃろう。
ルビジウム原子時計を採用している時報サービスにはNHKの時報サービスが有名じゃが、もし自宅の時計が少しずれていると感じる場合は、これらの原子時計を利用した時報サービスで一度調整しておくと安心かもしれんのぉ。
天然に存在するルビジウムは「ルビジウム85」と「ルビジウム87」の2種類じゃ。(ルビジウムの同位体を参照)
地球の地殻中に存在するルビジウムの埋蔵量は他の元素と比較すると多くはない。
尚、このルビジウムの同位体の中でも2番目に多く存在するルビジウム87は古くから年代測定に利用されてきた同位体として有名じゃ。
ルビジウム87はベータ崩壊を起こし「ストロンチウム87」となる特徴を持つ元素。
その半減期は驚くことに488億年という途方もない年数であることも知られておる。
半減期とは、どの程度の時間で放射性同位体が半分になるか?という期間を示す指標。
1秒未満の放射性同位体も多い中、この488億年という期間は特に長い半減期であることがわかるのぉ。
ルビジウムを用いる年代測定法では、このルビジウムとストロンチウムの比率を求めることでおおよその年代を推測することが可能となるわけなのじゃ。
尚、このルビジウムとストロンチウムの割合を測定して年代を求める年代測定法を「ルビジウム・ストロンチウム法」と呼んでおるのじゃよ。
※鉱石内のルビジウムとストロンチウムの割合を測定する年代測定法をルビジウム・ストロンチウム年代測定法と呼ぶ