◆原子・原子核の大きさ・構造の解説

◆原子構造=原子核プラス電子

 よ~し!いよいよ化学の本格的な勉強のスタートかな?がんばるぞ~!

 おっ?ポンちゃん気合いがはいっておるのぉ。では早速まず「原子の構造」について、そして「原子の大きさ」についてチェックしていくとしようかのぉ。

 原子の大きさね。OK!・・・・!
 ってそう言えば、そもそも原子って僕は良く知らないんだった。見たこともないような気がするし・・・・。
 ねぇ博士、原子っていったいどんな形をしているものなの?

 うむ、そうじゃったのお。化学の学習は基本が大切じゃ。ではまず原子の構造の基本から学習していくとしよう。
 但しひとつ断っておくが、原子とはどのようなものなのか?実はまだ原子そのものを人類が直接目で確認できたことは一度もないのじゃ。

※原子の姿を確認した人は誰もいない

 えっ!それじゃあ大きさも形もわかんないんじゃないのかなぁ?

◆原子の構造は原子核プラス電子で構成されている

 原子の大きさを考えるには、まず原子と呼ばれている物質の構造や構成について把握しておくことが大切じゃ。
 原子は「原子核」と呼ばれる原子の中心部分の「核」にあたる部分と、核の周辺に存在する可能性を持つ「電子」によって構成されておる。
 原子の構造の基本は、まずこの「原子核」「電子」の2種類の物質で構成されていることを覚えておくことじゃ。

※原子の構造⇒原子核+電子

原子の構造図

先ほど原子を実際に確認したことがある人はおらんと言ったのは、この原子核の周辺にある電子の存在は確認されてはいるものの、その形状がつかめない点にあるのじゃ。
 その為、現在の見解では、原子は雲のように淵のはっきりしない形状の電子に覆われている物質であると考えられておるのじゃよ。

 でも図を見るとボールみたいだから球形の形ってことになるのかなぁ?

 うむ、イメージはそれで良いじゃろう。実際に原子の大きさを考える場合は、原子核のまわりに存在する電子の大きさを淵と想定して考えることになておるしのぉ。
 厳密にはK殻・L殻・M殻・N殻などの最外殻の周囲が淵になるのじゃが、早速実際のサイズを見ていくことにしようかのぉ。

 う~ん、なんとな~くわかったようなわからないような・・・・でもイメージはちょっと沸いてきたかな。

◆ピンポン玉と地球の大きさの比率を例に原子の大きさを比較してみよう

 原子は雲のようにふわふわした形をしていて、原子核と電子で構成されているっていうのは何となく理解できたよ。でも大きさのイメージがちょっとわかないなぁ。

 確かにそうじゃのぉ。では実際に身近にあるもので原子の大きさを考えてみるとしよう。
 原子の大きさをイメージするには、よく実際の大きさと比較する為にピンポン玉を例にとって比較しながら考えていくものじゃ。

 ピンポン玉?ピンポン玉って卓球のボールだよね。

 うむ、原子の大きさを誰もが知っているピンポン玉のサイズまで拡大したとする。
 このピンポン玉の大きさになるまでに拡大した比率とまったく等しい倍率で今度はピンポン玉を拡大すると、その大きさは何と地球の大きさに匹敵するサイズにまでおおきくなるのじゃ。
 このことから、逆に地球をピンポン玉のサイズにまで縮小した倍率と同倍率でピンポン玉を縮小した大きさが原子の大きさとイメージすることができるのぉ。

※原子の大きさのイメージ=地球がピンポン玉のサイズになるまで縮小した大きさとほぼ同倍率のイメージでピンポン玉を縮小したサイズが原子の大きさ

 うわぁ、それじゃあ実際の原子の大きさはもう目に見えないほどと~っても小さくなっちゃうんだね。

◆原子核の大きさ(直径)=原子の直径の1万分の1

 原子の大きさがとにかくとっても小さいって事は良くわかってきたよ。
 原子の構造は原子核と電子で構成されていて、その原子の大きさは0.1ナノメートル。
 ということは、この原子核っていうのはもっともっと小さいということになるんだろうな。

 そうじゃな。化学では原子の大きさはとっても小さいもの。とイメージできれば問題ない。
 尚、せっかくじゃから解説しておくが、原子核の直径は原子の直径の約1万分の1程度の大きさじゃ。

※原子核の大きさ(直径)=原子の直径の1万分の1

 ひえ~、もう、存在するかどうかもわからないサイズになっちゃったね。ところで博士、もうこの原子核より小さいものはさすがにないよね。

 原子を構成していた粒子は原子核と電子であったのぉ。しかし、この原子核と電子を構成しておる更に小さい粒子もあるのじゃよ。

◆原子核を構成する2つの粒子

 原子の勉強をしていく上でこの原子核の構造を把握しておくことは後々とても重要になってくるのぉ。
 まず先ほど解説した原子核を構成している更に小さい粒子には、「陽子(p)」「中性子(n)」と呼ばれる2つの粒子がある。
 この原子核を構成しておる2つの粒子のうちのひとつである「陽子」は物質でありプラス(+)の電気を保持しておる点がポイントじゃ。
 尚、この陽子が持っておるプラスの電気量は原子番号と同じ数の電気量を持っておる。

※原子核は陽子と中性子で構成されている
※陽子は原子番号と同じ数のプラス電気を持っている

 電気かぁ?なんだか化学っぽくなってきたぞ~!ところで中性子は電気をもってないの?

 うむ、中性子はその名前からも創造がつくとおり電気を保持してはおらんのじゃ。
 しかし、中性子も陽子と同じ物質であることからしっかりと「質量」は考える必要がある。
 尚、下記の陽子・中性子・電子の質量・電荷一覧表では電子の質量はゼロとしておるが、これは電子はとっても軽いため、実質はゼロではないが限りなく質量がゼロに近い為、計算上はゼロで良いという意味じゃよ。

【陽子・中性子・電子の質量・電荷一覧表】
項目 原子核 電子殻
粒子 陽子 中性子 電子
記号 p n e
質量数 1 1 0(1840分の1)
電荷 +1 0 -1

尚、原子核をなす「陽子の質量」「中性子の質量」の合計を「質量数」と呼び原子の質量の比較を行う際には便利な数値じゃから覚えておくことじゃ。

※陽子と中性子の個数の和を質量数と呼ぶ

 ふぅ、ここまで一気に覚えてきたけど、さすがに陽子と中性子よりも小さな粒子はもうないよね。

◆陽子と中性子よりも小さな粒子とは?

 ひゃ~!この流れでいくと原子核を構成している陽子や中性子よりも更に大きさが小さな粒子が存在するってことになりそ~!

 うむ、その通りじゃな。ここから先は、特に最初から覚えておく必要はないのかもしれんがのぉ。
 しかし原子の大きさの説明からスタートし、せっかくここまで細分化して細かく見てきたからには、一気にここで更に更に小さな粒子についても説明しておくとしよう。
 と言ってももうこれ以上小さな粒子はないから本当にこれが最後じゃ。

 よし!一番小さな粒子だな。がんばって勉強するぞ~!

◆原子核・電子を構成するクォーク・レプトンの種類一覧表

 原子を構成しているのは、原子の中心部分にあたる「原子核」とその原子核のまわりに配置されている「電子」じゃ。
 「原子核」「電子」については覚えたかのぉ。
 そして、一つ目の原子核を構成しているのは、更に小さな粒子である陽子と中性子であったのぉ。
 そして更に、この陽子や中性子を構成している更に更に小さな粒子が「クォーク」と呼ばれる粒子じゃ。

※陽子・中性子はクォークと呼ばれる粒子によって構成されている

このクォークは基本粒子とも呼ばれ、全部で6種類、ひとつの陽子や中性子の構造は3つのクォーク粒子が組み合わさって構成されておるのじゃ。

※陽子や中性子は3つのクォーク粒子で構成されている

 ついでに電子の方じゃが、この電子はレプトンと呼ばれる粒子に属しており、このレプトンもクォーク同様6種類のレプトンがある。以下の表にまとめておくのでこちらも覚えておくことじゃ。

【原子核・電子を構成する粒子一覧表】
クォーク レプトン
アップクォーク 電子
ダウンクォーク 電子ニュートリノ
トップクォーク タウ
ダウンクォーク タウニュートリオ
ストレンジクォーク ミューオン
チャームクォーク ミューオンニュートリノ

◆原子の大きさはメートルに換算すると100億分の1メートル

 原子の大きさはとっても小さいということは何となくイメージできたことじゃろう。
 実際にこのとても小さな原子の直径サイズは0.1ナノメートルサイズ程度。
 ナノメートルという単位は最近ではナノテクノロジーなどの言葉で少しずつ耳にするようになってきた単位ではあるが、この単位はメートルに換算すると1ナノメートルで10億分の1メートルになる。
 原子の直径は0.1ナノメートル程度じゃから、メートルに換算すると実に100億分の1メートルの大きさということになるのぉ。

※原子の大きさ=メートルに換算すると100億分の1メートル

 100億分の1って・・・・もうめちゃめちゃちっちゃいってイメージでいいや!